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バリアフリー点検活動



バリアフリー点検活動  2      ページ
 交通バリアフリー法の実現の行方
”九州ブロック -10.7- 統一調査・点検行動”


会長 織 田 晋 平
 日時 2001年10月7日(日)
 主催 全国脊髄損傷者連合会 九州ブロック連絡協議会

 お疲れさまでした。

 はじめての九脊連で統一して、公共交通機関の点検、調査活動を、会員80名、ボランティア140名の参画を得て実施されたことは、九脊連の大きな前進である。普段、車イス使用者が交通機関を利用することが少ない中で(バリアあるから?)の体験は、参加された会員・ボランティアの方々、そして、乗り合わせた一般の方々との間に、目に見えるドラマ(交流)や目に見えないドラマがあったことでしょう。なかには、はじめての体験の人もいて、改めて「交通機関の現状」に想いをめぐらしたことでしょう。または、在来線ならでの初秋と風、同乗者との交流に「旅」を感じた方もいるでしょう。逆に、こんなことは、二度としたくないとの想いの人もあるかもしれません。それぞれが向き合った「現実」に(一日の体験でありますが)何を学ぶのか、そこに学習の出発点があると、私は考えていますが、参加者の皆さんは、如何だったのでしょうか。

 後日、各県支部から調査票、感想、報告が随時寄せられていますので、報告書の作成にかかりますが、支部より上がってくるチェック票に記載漏れや曖昧な記述及び駅の点検のまとめや提言等に大雑把な記述が目立ちます。

 これらは、調査の視点(問題意識)のズレ、相違からこうした「曖昧」が生じたものと思います。再度、公共交通機関を点検するという目的について、考えてみたいと思います。今回の趣旨は「交通バリアフリー法」の施行から一年、その「現状と進行状況を調査・点検し、問題点を整理して、関係機関への提言及び一般社会への啓発」としました。が、ここで「点検・調査」とは何か、何を、どのような観点から、どのように点検するのかですが、これについては、立派な「チェック票」を大里事務局長が作成し配付したので問題はないと考えていましたが、「視点のずれ」が生じています。何故か、@見た目で「使えない」「使える」という目測での点検A段差が何センチ、スロープの傾斜が何度で、位置や高さ低さの良し悪し等を、まちづくり条例や交通バリアフリー法等の施工基準等の予備知識を行使した点検B現物を観て、ここはこうすれば(簡単にできること)利用できる。このように改善すればいいとの、工夫、改善方法を思量しながらの点検C充分使えるもの、最も改善されていて有効なもの、不備のあるもの、典型的なバリアで特徴的なもの点検。D今後考えて行く上で素材(対比)であるところは写真で撮りコメントを加え提起するなどの目的意識を持っての点検。E乗り合わせた乗客と色々と話をすること。(これまで、車イスの人が乗っているのを見たか、また、どう思っているのか等など)、これらを、啓発活動として、前もって考えていたかどうか等F支部で、点検活動の方法や視点について協議したのかどうか、調査に欠かせない、巻尺、勾配の計測器(ボランティアセンター等で所持)等は用意したのかどうか。また、交通機関それぞれに「乗車して点検する」ことについても話し合ったのかどうか。今後のこともありますので、以上の観点から各支部で協議し、問題意識の共有化を図ってほしいと思います。

 交通機関の改善の遅れは、これまでの社会が私達の存在を、市民生活者、利用者として見ず、除外してきたからです。しかし、除外されてきた私達が「除外する側」への「説得性」のある異議申立はどのように行ってきたかを検証しなければなりません。「障害者だから」・「障害者はこんなに困っています」という風に、慈悲を乞うような、弱者救済を求めた活動から、どれだけ本質に迫る内容の「理論」を形成し、どれだけの戦略的活動を展開し得たのかを見つめることです。

 人間にとって必要なこと「制度」、必要な物「システム」の政策根拠(公共的・社会保障として)とその「政策化・具現化」について、それぞれが自分のデザインや主張(理論的)・提案をするということです。よく、「物は作って魂を入れず」と言いますが、魂を形あるものにするのは私達自身であることを、共有化することが問われているのです。

広報誌「わだち」No.109より)
  交通施設のバリアフリー
  70カ所一斉点検へ 脊髄損傷者九州連絡協


 車イス生活者らでつくる全国脊髄損傷者連合会九州ブロック連絡協議会(織田晋平会長、千人)は七日、九州・沖縄八県の駅や空港、バスターミナルなど約七十カ所を対象に施設の「バリアフリー度」を一斉点検する。
 十一月で「交通バリアフリー法」の施行から一年。同連絡協は、今回の取り組みを「第一回交通バリアフリー法に関する九州ブロック統一行動」としており、八県の会員とボランティア計二百三十人が参加する。
 車イスを利用する立場から、駅のエレベーターや身障者用トイレの使い勝手、ホームまでの段差の有無、従業員の対応などをハードとソフトの両面から点検する。後日、各県ごとに結果をまとめて公共交通機関や自治体に報告、不備があれば改善を求める。
 織田会長は「法が施行されても、車イス生活者に、いかに多くの障壁があるのか、関係機関や多くの市民に知ってもらうきっかけにしたい」と話している。
(情報提供:平成13年10月4日 西日本新聞)
第一回交通バリアフリー法に関する
  九州ブロック統一行動に参加して
 福岡支部長 菅原 義和

 日時 2001年10月7日(日)
 場所 福岡市 JR博多駅〜
 主催 全国脊髄損傷者連合会 九州ブロック連絡協議会
 10月7日ジョブサポートの駐車場に車を置き県庁前から地下鉄で博多駅へ直行。地下鉄には1号線が完成した時に点検活動をした時より久しぶりに乗車した。ホームと地下鉄電車の段差は5cm以下である為キャスター上げが出来る人は乗車可能である。地下鉄エレベーターは11人乗りでギリギリではあるが2台は可能である。

 博多駅からいざ点検活動の出発である。地下通路よりエレベーターにてホームに上がるが、その地下通路は汚く臭いことといったら・・・。エレベーターに乗るときは駅員の同伴がないと使用できないとの事であった。博多?香椎?吉塚?博多と点検をして回ったがチェックの詳細は別紙にて報告するが初めてのJR乗車に少し戸惑いがあったが、なかなか楽しい点検活動であった。事前に通達していた為駅員の対応は良かったが事前に通達無しで点検活動をした場合の対応は如何か。

 吉塚駅からは10月初めに新しく開通した福北ゆたか線に乗車したが改札口からエレベーター迄ゆるやかなスロープがある。エレベーターは7人乗りで1台しか乗れない。ホームに上がり電車が入ってきたがホームと電車の段差は0であった。車内には身障用トイレが設置されていた事にはビックリした。全線がこの様な対応になれば安心して乗車できると思いつつ無事博多駅に着いた。博多駅に着いたら電車とホームの段差15cm以上ありエレベーターは無く急な階段(20段以上あった)を駅員4名が階段を抱えて降りた。やっと点検活動も終わったと、ホッとして筑紫口迄車イスを転がした。

 ボランティアのUさん、S君今日一日本当におつかれさまでした。「またこういう機会があったら宜しくお願いします」と声をかけ解散した。

 点検駅に関しての諸々の感想及び意見
【博多駅】
・改札口にて「香椎駅まで乗車する」と告げると女性の係員より「係員が来ますからちょっと待っとって下さい」と言われたが「少しお待ち下さい」の方が良いのでは?
・地下通路よりホームに上がるエレベーターは必ず係員と一緒に乗車してほしいとの事。
・地下通路は汚くて臭い。
・通路の途中で職員らしき人が「失礼します」と言って体を横にし通行した。
・博多駅5人の駅員の介助あり。
・職員より「香椎の他にはどちらに行かれますか?」
 菅原「香椎の帰りに吉塚で降ります。時間は未定です」
 職員「博多駅より吉塚に連絡しておきます」
 菅原「香椎駅で乗る時に吉塚で降りる旨を申し上げます」
・ 乗車時一言乗せますとの声を掛けて乗車させるべきである。

【香椎駅】
・障害者トイレのドアが重い
・便座のサイズが合ってないのでグラグラしている。
・トイレ入口の表示が小さいので分かりにくい
(駅周辺のビル)香椎駅隣のフレスタ香椎店に障害者用駐車場が1台分有る。傾斜が急で車イスの乗降がしにくい。
(駅周辺のビル)2Fトイレは洋式有り・幅58.5cmで使用不可
 改良点としてドアを外開きに10cm広げてもらえれば使用可。手すり有り
 トイレの入口は段差6cm有り、車イスは困難、高齢者の方も転ぶ恐れ有り
・ホーム傾斜が有りブレーキが必要
・乗車希望時間を駅員に告げると人手不足の為、時間の指定をされた。
・ホームのトイレは和式のみ。
・ホームの待合室入口段差15cm

【吉塚駅】
・下車するとき介助職員が2名しかいなかった。
・障害者用トイレは鍵がかかっていた。
・窓口で使用したいと言うと開鍵まで1分少々かかった。トイレットペーパーは無かった。
・施錠の理由が貼り紙されていた。(写真を撮ってある)
・鹿児島本線は改札からホームまでの間にエレベーターは無い
・点字運賃表があるが音声案内のエンドレステープででも案内した方がわかりやすいのでは?
・トイレの表示には工夫が欲しい。入口に表示のみ例えば絵で示して欲しい。
・男女トイレの入口に区別のついたてが有ると良い。
・東口改札口(篠栗線)
・使用時間7:05(?)〜21:05迄
・ホームに上がるエレベーター(7人乗り)車イス1台しか乗れない。
・10月に篠栗線に新しく開通、新車両で運行されている
・車内に車イス用トイレが設置されていて車イス1台ギリギリ中に入れる。
・ホームと電車の段差なし
・勤務体制上、休日は2人の職員しかいないということで車イスの介助に関しては少々不安

【点検してみて】

 今回は前もって通達を入れておいた為、駅員の対応が良かった。乗降客5000人以上の駅のチェックであったがバリアフリーに関してはいまいちという感じがした。

 九州の表玄関の博多駅でさえホームに上がるのに地下通路よりエレベーターでホームに上がるという事である。改札口付近にエレベーターの設置が常識ではないだろうか。



 福岡支部 西山利明

 日時 2001年10月7日(日)
 場所 福岡市 西鉄天神駅〜
 主催 全国脊髄損傷者連合会 九州ブロック連絡協議会

【3班】西鉄電車  天神駅出発〜二日市〜大橋〜天神
    西鉄バス  天神バスセンター4B乗り場〜JR博多駅
【参加者】車イス使用者3名・ボランティア3名  計6名

※計画では大橋駅よりバスに乗る予定でしたが、西鉄より(大橋には福祉バスは巡回していないので天神より乗車して欲しい)との連絡があり、天神〜JR博多駅に変更。電車で、天神〜二日市〜大橋〜天神と乗車後、天神駅下車、バスに乗るべく大丸前まで移動、博多駅行き巡回福祉バス(100円バス)乗車。

【問題点】

 大丸前バス停より乗車の折り、バス停のポールが邪魔でスロープが使えないため、運転手さんとボランティアさんで抱えて乗車、車イス使用者3人乗るのは時間もかかり危険と思われ、2組(会員2名・ボランティア2名)は地下鉄に変更する。

 車イスを固定していないので、バスの発進・停車の振動にかなりの腕の力が必要で、急停車等の衝撃に問題あり。

 博多駅前下車のさい、駐車位置がずれていたため再度バスを動かし位置を調整しスロープを出す。日常使っていないのかメンテナンスが悪いのかスロープを出すのに時間がかかり、運転手さんの手がほこりと油で汚れる。発進まで5分間ほどかかったのではないか他の乗客に気の毒でした。

 どうして大橋には福祉バスは巡回していないのか・・天神など混雑する場所で、ラッシュの折りなど障害者が迷惑覚悟でバスに乗れるのか疑問です。 

 福岡支部 中野拓生

 日時 2001年10月7日(日)
 場所 福岡市 西鉄天神駅〜
 主催 全国脊髄損傷者連合会 九州ブロック連絡協議会

簡易携帯スロープによる乗降 幸いなことに天気にも恵まれ、少々疲れはしたのですが10年ぶりに電車あるいは地下鉄に乗り楽しい一日でした。

 私たちの班は、西鉄福岡天神→二日市→大橋→福岡天神→地下鉄天神→JR博多のコースで、車イス使用者3名、ボランティア3名の合計6名での行動でした。

【西鉄福岡天神駅】

@改札口は2階のためエレベーターで2階へ(★エレベーターも広く、車イス使用者3名・ボランティア3名が一緒に乗れた)但し、エレベーターはこの広い天神駅にわずか1カ所

A続いて車イス用トイレを探す。岩田屋デパートよりに1カ所、そして改札口をホームへ入ったところに1カ所(★トイレの中にトイレットペーパーが入っていない。聞くところによるといたずらをする人が多いためトイレットペーパーは備えていないとのことでした。★車イス使用者3名でこのトイレを利用したのですが、何せ3名が1カ所のトイレを使用したため約30分ほど時間がかかり、せめて男女それぞれ1カ所あればとつくづく感じた。)

B券売機 車イスの高さでも何とか利用でき特に問題はなし。事前に西鉄へ連絡していたため、担当の駅員さんが待っていて天神駅へ帰ってくるまで同行された。

【西鉄二日市駅】

@改札口が2階 エレベーターも無く抱え上げるしか改札口へ行く方法無し

A車イス用トイレが2階にある(但し、車イスの表示は全くなし)。我々はどのようにして2階のトイレを利用すればよいのだろうか?

Bターミナル入り口から2階の駅員さんへの連絡方法は全くなし。電車に乗りたい旨どうやって駅員さんへ連絡したらよいか当日応対の駅員さんへ聞いたところ、近くのお客さんへ2階の駅員まで連絡の依頼をして欲しいとのこと。びっくりしました。

C具体的な二日市駅での乗降方法 当日、駅員さん3名が待つ中央ホームに下車、次の電車が到着するのをそのままホームで待機、次の電車の到着時その電車を橋渡しに利用し、進行方向に向かって左端のホームへと移動(到着した電車の中を通って端のホームへと移る。※左端のホームへ入る電車が到着するまで我々は中央ホームで待機する必要あり)次に、そのホームの先端に簡易鉄編みのスロープ(写真参照)を設置してホーム外へと降ろす。乗車も同じように踏切の中から乗車ホームへ簡易スロープにてのぼり乗車する。

 特急が止まる西鉄のメイン駅としては問題が多すぎる駅でした。駅員さんの話では、2〜3年の間には大改造の計画ありとのことでした。

【大橋駅】

@大橋駅も基本的には二日市駅と変わらず、2階の改札口へは抱え上げるしか方法のない我々車イス人間には厳しい駅でした。二日市と違い近代的な装いの駅ですが、車イスの駅としては旧態依然とした駅としか言えません。ただ、二日市駅と違う1点は、1階に駅員へ連絡できるインターホーンが有ったことぐらいでしょうか。
 筑後支部

 日時 2001年10月7日(日)
 主催 全国脊髄損傷者連合会 九州ブロック連絡協議会

とても怖い!キャタピラ式昇降機・券売機が何処の駅でも高くて使い難い(特に上肢障害がある者)
・車イス使用者用トイレは有るが入り口が狭かったり中に入れても狭くて使えないし汚い
・改札口の幅が狭い
・音声案内が無い(有っても聞こえない)
・案内掲示板が見難い
・昇降機は安定性が無く不安定で振動する為怖い
・職員の対応は、
 西鉄・良かった(職員への事前連絡はしていない)
 JR・良かった(事前に連絡していた方が対応が良いようだ)

・「交通バリアフリー法」は出来たが全体的にまだまだ整備されてない所が多く車イス利用者だけではなく全障害者使い難いと思う

・今回の統一行動は行って良かったと思うが、もし次年度も行う時は各支部地域の駅を点検した方がより多くの駅を点検できるしもっと詳細な点検が行えるのでそうしてもらいたい、また、その方が会員の参加者が増えると思う

・博多駅で啓発活動が行われると思ったが、会長や事務局長、各般の代表者の簡単な報告で終わったので博多駅に集合した意味がわからない。

 筑豊支部長 藤田 忠

 日時 2001年10月7日(日)
 場所 田川市 JR田川後藤寺駅〜
 主催 全国脊髄損傷者連合会 九州ブロック連絡協議会

 福岡県支部・筑豊1班は、筑豊の主要駅であるJR田川後藤寺駅、JR新飯塚駅、JR桂川駅の3駅を点検しました。
 10月7日(日)当日、JR田川後藤寺駅に、車イス使用者2名とボランティア(女性3名・男性3名)6名が9時30分集合しました。自己紹介、役割分担をすませ点検活動開始です。

 JR田川後藤寺駅では、駅入口にスロープを備えて改札から新飯塚駅行きの乗り場までフラットです。列車入口に段差があるだけでJR後藤寺〜JR新飯塚駅間は少しの介助で利用できそうです。唯、途中駅への下車は無人駅もあり下調べが必要のようです。また、駅員に新飯塚駅までと告げても、改札から乗り場までフラットだからでしょうか?介助者が沢山いたからでしょうか?列車への乗降を補助するとか次の駅に連絡などは残念ながらありませんでした。

福北ゆたか線、車両内トイレ 次のJR新飯塚駅は、最近駅舎を新築移転したばかりで、線路を挟んだ東西にエレベーターを備えた高架通路があり、その高架通路から改札を通り上り下り線のホームへもエレベーターを備えている、バリアフリー駅に変身していました。券売機のボタンも低いところに位置しているなど高齢者や障害者に配慮がなされています。長年こういう駅と電化を待っていたと電車に揺られながら素直に喜びました。列車乗降の補助があれば気軽に利用できそうです。

JR福北ゆたか線、桂川駅ホーム切り込み急角度スロープ 次のJR桂川駅は、福北ゆたか線の電化にともない改築されましたが、エレベーターは設置されていません。そのために線路を越えてホームに行くときは危険な箇所がありました。それは改札を通り下りのホームへ行くときには、改札横の緩やかなスロープを降り、線路の上を渡り、下りホーム中程にあるホーム内に切れ込んでいるスロープを上りホームにつきます。しかしスロープの角度が45度もあり一人の介助者ではとても上り下りできそうもないほどの急角度です。このホームの端に緩やかなスロープを設置して渡れるようにしないと現状の急角度スロープではいつか大怪我の危険性をはらんでいます。しかしながら高架橋を数人で抱え上げられて移動するより、スロープを使い線路の上を渡る方が精神的・肉体的には楽なのも正直な気持ちです。

 今回利用したJR3駅では、列車への乗降のさいに一度も携帯スロープ(電車とホームの段差・隙間をうめるスロープ)による駅員の補助はありませんでした。アルミ製の携帯スロープだと比較的に軽く持ち運びが容易で列車への乗降もより安全に行えます。さらに総重量150kgある電動車イスの乗降もより安全・容易になると思います。早急に解決する課題として、価格に対して効果大の携帯スロープを主要な駅から設置していただきたいものです。

 今回の活動を通して感じたことは、筑豊地区のJR駅でバリアフリーな駅は新飯塚駅のみで、他の多くの駅、無人駅などは、気軽に利用できそうもありません。高低差5メートル以上、1日の乗降客5000人以上の交通バリアフリー法対象駅は、出来るだけ早くバリアフリー化の必要性を感じます。また、この2週間前に関東の主要都市に行きJRや地下鉄を利用したさい、駅員に目的地を告げると自然体の接客態度で携帯スロープを片手に抱え、携帯スロープにて乗降を補助し、到着駅への連絡も当然行うべきサービスとして行っていただきました。その接客態度にとても安心して目的地に着けたことを思い出しました。やはりハード面のみならず障害者が利用するさいの駅員の接客姿勢はもっと大切だとも感じました。

 最後に、一緒に行動をともにしていただいた県大生を含めたボランティアの方、本当にありがとうごさいました。

 福岡県立大学 S・K

 日時 2001年10月7日(日)
 場所 直方市 JR直方駅〜
 主催 全国脊髄損傷者連合会 九州ブロック連絡協議会


 特に思ったことは、エレベーターのない駅では不便だということです。長い階段を車イス使用者を持ち上げて移動するのは、持ち上げられる側になってもとても怖いことだと思います。博多駅ではあれだけ利用者の多い駅だから、エレベーターやエスカレーターなどの整備はきちんとしているだろうと期待していたのに、電車とホームの段差もあるし、エスカルはあるけれども、それを出すまでに時間がかかったあげく、結局エスカルは利用せずに、駅員の方々が抱えて階段を降りることになったのには驚かされました。一番、利用しやすいのではないかと思ったのは、長者原駅でした。エレベーター、トイレなど、車イスを利用する人だけではなく、高齢者や、他にも誰にとっても使いやすいと思います。

 福岡県立大学 H・M

 日時 2001年10月7日(日)
 場所 田川市 JR田川後藤寺駅〜
 主催 全国脊髄損傷者連合会 九州ブロック連絡協議会

 私は今回の障害を持つ人々と一緒に、実際に駅・電車等の利用を通じて、バリアフリーの実態を調査することに参加させていただき、今までにない視点で駅について考えることができました。

 まず、だいたいの駅にスロープと呼べそうなものは存在していました。普段は気にせずにいたので気づきませんでしたが、比較的利用する駅にも向かい側のホームに行けるように、道は造られていました。以前の私ならその点だけに感心してしまいそうなところですが、使えなければ意味がないことを学んでいたので私達なりに、スロープがあるかどうか、またスロープがあればそれは利用しやすい角度のものなのかまで考えて観察しました。そこで気づいたのは、どの駅にもスロープのようなものは確かに存在していなくもありませんでした。しかし、あまりに急な角度のものが多く、実際に利用するには危険だと思われるものがほとんどでした。金網によって通れないようにしてあるところもあり、名目上のものでしかないように強く感じました。スロープだけではなく、点字ブロックといったものにおいてもそのような感じでした。

 また駅員の方々の対応には、駅によって対応への差を感じました。基本的にどの駅でも、駅員の方々が対応してくださったのですが、時に利用時刻への注文のようなことがあったり、階段での上り下りにおいて妙に慣れている分、車イスの利用者への配慮が足りない用に感じられました。普段利用者が多いような規模の大きな駅になるほど、駅員さん自ら対応にきてくださるということもあり、感心させられることもあったのですが、対応のたびにこちらがお礼をいうことはあっても、駅員さんから「ご利用ありがとうございました」という言葉を聞かなかったと思います。スロープの利用の際や、電車での乗り降りの際に駅員の方々の力を借りてはいますが、その際に駅員の方側から利用のお礼を自然に言われるような社会になれば、もっと障害を持つ人々だけではなく私達自身も、利用しやすい駅、社会になるのではないかと思いました。

 障害者の利用運賃の割引制度など知っているつもりでいながら、その介護者まで割引が使えること、実際にどのように利用するのかということ、車両の中での車イスのスペースの必要性や、乗り降りの不便なども実際に体験することで今回大変勉強になりました。わかったつもりでいて、まだまだ考えの足らないことに気づかされ、名目上だけでなく本当に使える、利用しやすいバリアフリーの実現が待ち望まれます。充実した体験をさせていただいてありがとうございます。

広報誌「わだち」No.109より)



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